赤い狼 参
「あぁ。《UNIT》の奴等が逢いたいって言ってる。」
「ア、アニ?」
「《UNIT》(アニット)だ。《UNIT》。」
「え、それって何かのグループ名?」
「ん?違う違う。傘下に入ってる奴等の事を《UNIT》って呼んでるだけだよ。」
「ん?え?」
あれ。付いていけてない感じ?
頭を捻っている稚春を見て、俺もどうやったら稚春に分かりやすいか。と頭を捻る。
「…稚春、理科とか、歴史とか得意?」
「え?あ、うん。結構好きだよ。」
「じゃぁ、稚春に分かりやすく説明出来るかも。」
「え!?本当!?」
「うん。じゃぁ、よーく聞いててね。」
「うん。」
「俺がさっき言ってた《UNIT》っていうのは、傘下に入った奴等の事を言ってるんだよ。
で、その傘下っていうのは、喧嘩を仕掛けて来た族を倒して俺等の族に仲間入りさせたり…
最初っから喧嘩せずに、俺等の処に入れて下さい。って頼みに来た奴等の事を傘下って言うんだ。」
「なるほど…。」
「でもね、傘下に入ってもそれぞれ俺等の傘下に入る前の元の名前があるでしょ?
でも俺等、覚えきれねぇんだよ。だから、纏めてソイツ等の事を《UNIT》って言ってるんだ。」
「へぇ。でも、仲間になったなら、纏めなくても皆、《SINE》にしちゃえばぃぃんじゃない?」
何で《SINE》にしないの?と首を傾げる稚春。
…そう来たか。