赤い狼 参
「稚春、傘下になった全員が《SINE》のメンバーになったら大変な事になるよ…。」
「へ?何で?」
「《SINE》になったら、此所に来なくちゃいけなくなるんだよ。傘下になった全員が。」
想像してごらん。と稚春に言うと、稚春は
「恐ろしいんだけど。」
と両手で自分の腕を擦った。
「ハハッ。でしょ?」
「うん。酸欠になる。酸欠に。死んでしまう。」
「うん、まぁ分かってもらえたみたいで良かった。
あ。それでね、その《UNIT》の人達を纏める人が一応決まってるんだ。」
「纏める人?」
「うん。《UNIT》は結構多いんだよ。結構な族の量でね。軽く16ぐらいはあるかな。」
「そんなに!?」
「うん。だから、今の処、四人纏める人を作ってるんだよね。」
「うん?」
「で、その人達が稚春に逢いたいんだって。」
「何で!?」
稚春がビックリし過ぎて机の角で手を打った。
だから、落ち着きなって。
「え。だって、三代目の彼女だし。」
ニッコリ笑って答えると
「……………はっ?」
なんとも間抜けな声が返ってきた。