赤い狼 参
「…………………。」
「…………………。」
沈黙が続く。
…そろそろかなぁ…。
俺は目の前に居る稚春を見ながら耳を塞いだ。
「はぁーーーーーーーーー!!??」
…ほら、やっぱり。
耳を塞いでて良かった。
「稚春、すげぇな。叫び声が。」
苦笑いしながら稚春を見ると
「だってあんな馬鹿そうなのが一代目っておかしいよ!っていうか、一代目って《SINE》を作った人なんだよね!?」
酷い事を言ってのけた。
つぅーか…
「稚春、苦しいから…。」
さっきから首根っこ掴まれて苦しい。このままじゃ殺される。
「ぎゃぁ!?ごごごごごごごごごめん!大丈夫!?棗!」
"ご"多いよね。
でもまぁ、助かった。
…でも、この調子だと…
「どうした!?稚春!」
「すげぇ声聞こえたけど!」
「稚春~?どうしたの~?」
「稚春ちゃん、大丈夫!?」
「愛しのマイハニー!大丈夫かい!?」
やっぱり、来ちゃうか…。