赤い狼 参
「稚春、やべぇって!さすがの茂さんもそこまでされたら死ぬって。」
連が慌てて稚春の手を掴む。
「じゃぁ茂さん早く答えて下さい!!」
「分かった分かった!俺、一代目だよ!ちゃんと《SINE》作ったよ!」
「マジか!?本当にそうなのか!?なんか茂さんが一代目ってショックだ!」
「え、それどういう事。」
「私の想像では、もっとワイルドで厳つい奴だったのに。それが、こんな人だなんて。」
「…何かひでぇ事すげぇ言われてる気がするんだけど。気のせいか?」
「だって本当の事だし。」
稚春の台詞を聞いた茂さんは両手で顔を隠し、泣き真似をして
銀~~~~~~っ!!
と叫んで銀に抱き着いた。
「ギャーーーーーーー!!はーなーれーろー!」
「銀だけだ!俺の心の傷を癒してくれるのは!」
「キメェ!!離れろ!お前の傷を癒すのは俺じゃねぇ!」
「そんな事言わねぇでさぁ~。仲良くしよーよー。」
「ギャー!顔近ぇ!キショイ!」
「ぎーんくぅーん!」
「うわぁああぁあぁああぁあ!」
…銀、完全に遊ばれてんな。
まぁ、俺には関係ねぇけど。
つぅーか…
「同じ一代目なのに全然違うんだよなぁ…。茂さんと弘さん。」