赤い狼 参





「あの…さ、私って《VENUS》の人達と会っちゃいけない?」



「あぁ、会うな。」



「…おい。」




言いかけて止めた。



隼人が本気だっていうのが分かったから。




「何で隼人が答えるのよ。」



稚春は、


棗に聞いたのに。


と頬を膨らませる。




稚春のその仕草はいつ見ても可愛ぃな。と思う俺は変態になりかけているのだろうか。



時々、この事を真剣に悩む。



まぁでも、雷太にこの前


俺は変態なんだろうか。


と聞いたら


男は皆変態なんスから気にしなくてもぃぃと思います。


って言われたから"まだ"大丈夫なんだろう。



でも、いつ変態に成り下がるか分からねぇ。



気を付けねぇと。




俺は心の中でそう決意して稚春の質問に答える。





「まぁ…正直、あまり会ってほしくねぇが、アイツ等ならまだ大丈夫だろうから、俺はぃぃと思うよ。」



「…棗……。相変わらず、ぃぃ奴…!でもさぁ…」



稚春は話している途中に口を閉じ、俺に近付いてきて俺の耳元に口を近付けてきた。



結構な至近距離に心臓の動きが少し早くなる。





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