赤い狼 参





「隼人だけど?」



「ちげぇ。《SINE》の総長、隼人様だ。」



「隼人、病院行くか…?」



「精神科か、脳外科に連れていった方がぃぃと思うぜーーー。」



俺と隼人の会話を今まで黙って聞いていた銀と連がさっきの隼人の発言に素早く反応し、最もな答えを言い放った。



俺もそう思ったぞー。



心の中でそう呟いて、今度こそ隼人を無視しようと決意して稚春の方に向き直る。




「稚春、今日はなるべく此所に居てくれないかな…?」



「…ぃぃけど。」



「うん、じゃぁ決まりだね。えーと、取り敢えずお風呂に入ってきてくれねぇ?」



「え?何で?」



稚春は大きな目をパチクリと開いては閉じ、開いては閉じ、を繰り返す。



「何でって、今日泊まるって言ったじゃねぇか。」



「え?………あれって、そういう意味だったの?」



「え?どういう意味だと思ってたの?」



稚春が驚いた態度をとったから俺まで驚いた態度をとってしまった。



「夜遅くまで残っておけっていう意味かと思ってた。」



「そんな要求する訳ねぇだろ。で、ぃぃのか?泊まりは。」



「いや、泊まりたいんだけど…明日、学校あるから…。」



そうだった。稚春、真面目な奴だったんだ。






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