赤い狼 参
――ブルッ――
想像してみるとゾッとした。
…考えるの止めよう…。
「えっと…じゃぁ、荷物とか取りに行かせる時間が今日は無いからこのまま泊まる事になるけどぃぃ?」
「あ、うん。分かった。じゃぁ先に棗の部屋に行ってるね。」
「風呂は?」
「棗が先に入ってぃぃよ。私、皆の後に入るから。」
「俺等は後でぃぃから先に稚春が入りなよ。」
「ぃぃよ、先にそっちが入って。」
「稚春が先に入れよ。」
「ぃぃって。」
こんなやり取りをしていると、銀逹が
「…お前等、ラブホで争う恋人かよ。」
「何ラブってんだ!稚春は俺のだ!」
「何か二人共、俺等の存在忘れてない~?同棲してる恋人みたいだよ~?」
「……………。」
と野次を飛ばしてきた。
…いや。約一名、野次を飛ばしてねぇ奴も居るけどさ。
その代わり、すっげぇ睨まれてるけどさ。
…ヤベェ。
今、本当にコイツ等の存在忘れてた。
自分が本気で隼人逹を忘れていた事に驚いて頭をポリポリと掻く。