赤い狼 参

:棗の部屋






あれから隼人と一通り騒いだ。


明日学校だから帰ろうと思ったけど、もう遅いから棗の部屋に泊まっていけって隼人に言われたんだけど…



なんだか悪い気がして棗の部屋に止まるなんて申し訳ないって思って断ったんだけど

棗が稚春ならいつでも大歓迎って言うのでまた、棗の部屋に泊まる事になった。


それが正直、嬉しかったりする。

ご飯も作らないでぃぃし、シャワーも浴びれるから《SINE》ってわりと便利なんだよな。



…と、ここで重大な事に気がついた。



そういえば同じ服を二日も着ている気がする。




最悪だ、と思いながら自分の服を見ると実と香が一生懸命コーディネートしてくれただけあって可愛ぃな、とそっちに気がいってしまった。


そして、それと同時にこの服装を誰にも指摘されなかった事にも気がついた。



誉めてほしい訳じゃないけど、いつもと違った服装なんだから皆、何か言ってくれてもぃぃのに。


なんて、拗ねながら棗の部屋へと繋がる廊下を歩く。




「そりゃ、似合ってないかもしれないけどさ。」




ボソッと一人言のように呟くと、前を歩いていた棗に聞こえたらしく、振り返ってん?と首を傾げられた。




< 94 / 410 >

この作品をシェア

pagetop