赤い狼 参
「なぁんでもない!」
でも、誕生日をあんなに盛大に祝ってくれたんだしそんなのどうでもぃぃや。って思ってきてニコリと笑って棗の手を握る。
「行くよ!棗!」
「え、ちょっ!急にどうした!?」
「だから、何でもないってばー!」
あはは、と笑いながら棗の手を引きながら走る。
「廊下走ったら転けるぞ!」
「転けてなんぼ!もし転げたらスライディングするから大丈夫☆」
「全然大丈夫じゃない…。むしろ、不安になってきた。」
はぁー、とため息をついて頭を抱える棗に大袈裟だな、
と思いながら棗の部屋の廊下をそのままのスピードで一直線に走る。
「塚、前から思ってたけど廊下長すぎっ!」
「うん。だって此所、東京ドームの4分の1くらいはあるからね。」
「嘘!?」
「うん。ちょっと話盛った。」
「棗のバカ!」
あははっと笑う棗を横目で見ながら走るスピードを緩める。
「あった!」
結構走った私は息を切らしながら棗の部屋に入る。
…塚、廊下マジで長いっ!