天使のキス。
「オレ、電車って初めて。
超楽しみ♪」


電車に乗り込み――…


あたしのぐったりをよそに、悠はとっても楽しそう。


「隼人が車まわすっていうの断ったんだ。
あとで、親父にバレたら面倒だし。
同じ理由で、うちの別荘にも愛里連れて行けないし。
どうやって、2人きりになろうかって考えてたんだ」


「あ、そう」


「ん?
あ、そう…って。
あれ?
愛里、楽しみじゃないの?」


「た…た…楽しみだよ?
もちろん、楽しみだよ?」


そうは言ったものの――…


実は、あたし。


窓の外の景色を見る余裕も、悠の言葉を聞く余裕もないほど、ドキドキしていた。


別荘で始まる昨日の続きに…。

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