天使のキス。
心の傷
「タク…。
あの…
あたし…」
頭を抱えたままのタクに、恐る恐る切り出した。
窓にポツポツ当たる雨が、あたしの心に影を落とす。
タクはあたしの話を聞く前に片手を上げ、あたしを制した。
“ごめん。
愛里の話まで聞く余裕はない”
無言で片手をあげたタクはそう言っているようで、あたしは喉まで出かけた言葉を飲み込んだ。
“あたし。
悠に呼び出されたから、学校サボるね”