天使のキス。
そんな風に悠のことを考えるあたしの体は――…


「愛里?
おまえ、異常に熱いぞ?
つーか、熱あるんじゃねぇ?」


――故障寸前だった。


こんなことをされて、ときめかないわけがない。
こんなことをされて、ドキドキしないわけがない。


いったんあたしを離した悠の片手があたしのおでこに近づいて、続いて悠のおでこがコツンと重なる。


綺麗な顔だなぁ…


そんなピントはずれのことを考えるあたしに向かって


「なんだ、愛里。
またドキドキしてんのか?」


超至近距離で、悠の綺麗な唇が動く。


「おまえ。
可愛い、な」
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