春生ーあつきー
●舞い降りた恋
風が冷たくなってきた11月、
あたしは直也に出会った。
篠田 亜恋 (15)中3
(しのだ あこ)
あの頃、あたしはあたしがどうでも良かった。
「ねぇ、いい男いない?」
「亜恋また別れたの??」
「アイツハズレだったわーー」
次々に彼をとっかえひっかえして遊び放題。
夜はと土日は・・・。
「亜恋ちゃん、今日もありがとう」
「いえいえ♪またね~」
知らないオッサンと
sexしてはお金をもらっていた。
自分が、世の中がどうでも良かった。
あたしなんかいなくてもなにも変らない。
いても意味なんかない。
誰も何も言っていないのに、
あたしがあたしにそう言っていた。
そうしてどうでも良くなって
自分で体も心も汚していった。
そんな汚い、汚れたあたしを
誰も信じてはくれなくなった。
頼ってはくれなくなった。
学校も、一緒にいる子達は
上辺だけのトモダチ。
あたしに親友はいなかった。
家では親にいい顔していい子
なあたしを演じきって、
毎日あたしの休まる場所はなかった。