私と、きみ。
たった10時間前、美緒がボソッと言った。

「明日、あの駅前の服屋で服コンテストあるって。」

この地域では珍しくない。服コンテスト。

年に一回くらい、駅前の「M・ts」というお店で服のコンテストがある。

これは、デザイナーじゃなくても、とにかく自分で作った服を自慢しあう大会なのだ。

「・・・参加?」

「勿論。」

私達には時間がない。服オーディションは朝の9時からなのに。

だんだんめまいがしてくる。私だけじゃなくて、昌美も、美緒も。

日が昇る、私は死んだように眠る。

「ぅ・・・がっ?!」

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