私と、きみ。
「香湖、いつでも電話していいから。」

「笑わないで。」

「え?」

「笑わ・・・ないでっ!!!」

私は爽ちゃんと離れたくなかった。 

あの笑顔を他人に見せたくなかった。

私は無駄だと思っていても、爽ちゃんをひきとめた。

「笑わないで・・・」

この言葉を何度も何度も繰り返した。

そのいい顔を他の人に見せるのか。

私の物だと思っていた、太陽みたいに輝いている、爽ちゃん。

きっとファンも多くなる。

私はきっと爽ちゃんに会いにくくなる。
< 37 / 45 >

この作品をシェア

pagetop