私と、きみ。
私はわかっていた。

だからずっと言う。

「行かないで・・・」

「香湖。やめなさい、爽ちゃんが困っているでしょ。中学生にもなって。」

わかってる。子供っぽい。

「香湖、たまに帰ってくるし。メールするよ?」

爽ちゃんがなぐさめてくれる。

「嫌。そのうちできなくなる・・・わかってる・・・!」

「俺そんなに売れないって、新人だしさ。」

笑いながら言う。簡単に言わないでよ・・・

やっぱり私は爽ちゃんが好きだ。

でも気づくのが遅かった。

今言っても爽ちゃんを困らすだけ。

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