コウコウセイ。
「私の中では陽と元彼は同じくらい好きだったの。欲張りだけどね」
私は真面目な顔で話を聞く。
美咲はそれを見て安心したように一息ついてまた口を開いた。
「昨日メールでね、陽に告白したんだ。そしたら『好きな人がいるから』って…失恋して。
そしたら元彼から電話があって」
「そっ、か…」
失恋したんだ。
私無神経なことしたかな…
「無神経だった…ごめん」
「ううん、裕美が言ってくれて嬉しかったよ。それに…今の私、凄く嬉しいの。踏ん切りがついたっていうか、これでまっすぐ彼に付き合える」
「うん」
「あとは私なんか気にしないで裕美の好きにしてね」
そう言った美咲はいつになく晴れ晴れした表情だった。
「こちらこそ、ありがと」
私もこれできちんと答えが出せる。
溝越くんの気持ちと真っ向に向き合える。