コウコウセイ。
帰りを告げるチャイムが鳴る。
それと共に、陽は私の前に来た。
「帰れる?」
「あ、えと…」
美咲に視線を送ろうと教室中を見るが、姿が見当たらない。
仕方なく廊下の窓から外を見れば、彼女は恐らく彼氏らしい男子と肩を並べていて。
ポケットで着信を告げるケータイを開けば美咲からのメール。
『先に帰ってるね!
裕美は陽とごゆっくり^^』
「美咲ってば…」
「大丈夫?」
「うん、大丈夫」
ケータイをポケットにしまいながら頷いた。