コウコウセイ。

この間の社会の時間、見てしまった。


先生の話を聞き逃して、いつもの如く後ろの席の夏目くんを振り返ってみたら、彼が色違いの同じシャープペンを使っていて。

自分でも過剰反応だってわかってるけど、でも恥ずかしくて絶対使えない。

だからいつもそれは、ペンケースの下に潜りこんでいる。

だけど予備校には夏目くんはいないワケだし、こっちでは使ってる。

その気持ちがどういった感情か知らない程無知ではないけれど、やっぱり認めたくないんだ。


「だってそういう年頃じゃん…」

「何が?」

「なんでもっ!」


< 9 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop