コウコウセイ。
この間の社会の時間、見てしまった。
先生の話を聞き逃して、いつもの如く後ろの席の夏目くんを振り返ってみたら、彼が色違いの同じシャープペンを使っていて。
自分でも過剰反応だってわかってるけど、でも恥ずかしくて絶対使えない。
だからいつもそれは、ペンケースの下に潜りこんでいる。
だけど予備校には夏目くんはいないワケだし、こっちでは使ってる。
その気持ちがどういった感情か知らない程無知ではないけれど、やっぱり認めたくないんだ。
「だってそういう年頃じゃん…」
「何が?」
「なんでもっ!」