モデル同士の恋
「俺、ふられたとしても諦めるつもりないから。
そこんとこよろしく!」
あたしが返事をする暇もなく葵くんはそう言って、あたし達の元を去っていってしまった。
諦めるつもりない?
…どういう事!?
「何あの人…」
呆然としたまま夏希が呟いた。
他のみんなも呆然としている。
あたしはというと、訳がわからず、頭はパニック状態に陥る。
とりあえず側にあったジュースに手を伸ばし、口に含んだ。
ひんやりとしたオレンジジュースが頭を冷やし、冷静にさせる。
「あの人…変だな。」
あたしが頭に浮かんだ言葉を、ぼそりと呟く諒。
「諒、人に変とは言っちゃだめよ。
まあ確かにちょっとおかしいけれど」
否定しつつも結局納得してしまう美月。
軽いのか重いのかもよくわからない。
「本題に戻すとして、
結衣はこれからどうすんだよ」
止めに入った大和があたしに聞く。
どうするって言われてもねぇ…。
「どうするも何も放っておく。
それ以外なんとも言えないや」