モデル同士の恋
美月ー、あたしいやなのに!


「やった、今行く」

あたしたちの気持ちも知らず、店の入り口まで走っていく葵君。


「ちょっと〜!
嫌だよ!!」

夏希がいちはやく反応。


「私だって嫌よ。
でも付き合い上しかたないじゃない」


確かに、ね。


まだドラマの撮影だってあるわけだし、今ここで断ったりして雰囲気が悪くなったりしたら申し訳ない。


でもなあ…図々しいよ。



あたしの思いとは裏腹に、葵くんは店の中に入ってあたしたちのところまで来る。


そしてあたしの隣が運悪く空いていたため、そこにちゃっかり座る。


…はあ。


もう、ため息しか出てこない。




「偶然だねー。
二回も会うなんて!」


「そ、そうだね…。」


「あ、2人はきいた?
俺ら朝も会ったんだよね」

「は、はあ…」

あたしたちに話す隙も与えないくらいの弾丸トークをする葵くん。


あたしたちは、ただ葵くんの話を黙って聞くことしか出来ない。
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