モデル同士の恋
落ち込むあたしをみて
お母さんはうーんと唸る。



「そうねぇ。

お母さんの場合は、
その人のことばっかり考えたり、
その人がすごく大切に思えた時、

これが恋なんだ、って思ったかな。」


大切、か…


颯太は確かに大切な存在。

それはさっき嫌ってほど思い知らされた。


でも、これが恋なのかはわからない…。




「それが、お父さん?」


「うん。」

幸せそうに笑うお母さん。



いつみても、お母さんとお父さんは仲がいい。


まだ新婚みたい。

ふたりで出かけたりするし、
本気でケンカしてるところなんて見たことない。



「でもねー、実を言うと
お母さんも結衣みたいだったんだ。」


あたしみたい?



「どういう意味?」


「恋ってどういうものなのか
わからなかった。」



お母さんが?

あのお父さんとラブラブなお母さんが?


世の中不思議。



「もともと友達だった
お父さんから告白されて一度は断ってるの。」


今度はあたしがお茶をこぼしそうになる。



そんな重大事実は初耳だ。


知らなかったよそんなこと…。


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