モデル同士の恋
〜颯太SIDE〜


「ふたりでご飯食べに行くなんて初めてか?

まずふたりになるのも久しぶりだよなー。」


そうしみじみといって、お茶を飲むおじさん。


数時間前、
とても後悔することを口にだし、
落ち込んで歩いていた俺。
もう、二度とあんなこと口にしたくない。


もうすぐ家、ってところで誰かに話しかけられた。


[モデルのくせに姿勢悪すぎだぞ!]

その言葉に俺ははっとする。

おじさん…


結衣と少し似た顔をして立っているおじさん、もとい結衣のお父さん。


[なにをそんな落ち込んでんだ?]


[ちょっと…
色々あって。]

[?
まあとりあえずうち来いよ。
話くらいは聞いてやる。]

そして、
俺は寿司屋にいる。


回転寿司。


好物のものが目の前を通っていくにも関わらず、
手を伸ばす気は起きなかった。
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