モデル同士の恋
「嘘だろ?」

わけわからないというような顔。



「…嘘じゃないです。

おじさん見たことあるんじゃね?」



「誰だよ。」

おじさんはいかにも不服そうな顔をして腕を組む。


「同じドラマに出演するどっかのモデルの葵ってやつ。」



…結衣と葵が付き合ったとして…

ドラマの現場とかでも
二人一緒のところを
見なければいけない、
そう考えただけでため息がでる。



「あー、撮ったことあるかもしれない。

でも俺は認めねぇ!」



「何を?」



「結衣の彼氏は颯太しか認めない!
颯太が結衣じゃない人を好きになるまでは絶対。」


だから頑張れよ、と言うおじさん。



さすがおじさんだ。


普通誰も認めないとかじゃね?


まあありがたい話だけど…

でも俺が結衣以外の人を
好きになれる日が来るのか
大いに謎だ。


「出来る限り…頑張ります。」



「よし、それでこそ俺の第2の子供だ!」

おじさんの言葉は素直に嬉しい。


「じゃあ帰るか!」


そう言って立ち上がるおじさん。


結局、一皿しか食えてねーや。


まあ、おじさんと話せただけでよかったけど。


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