モデル同士の恋
〜結衣SIDE〜

颯太を引いてきたまではよかった…けど、

そのあとやっぱり
素直になれない自分が
すごく嫌だった。


目をそらされて、
今度こそ、本当に嫌われたと思うと
涙が止まらなかった。



でも…


〔誤解、してんなよ…〕

そう言われた後に
颯太に抱き締められた。


その瞬間、涙がもっと溢れて…
緊張の糸がほどけたように
声を上げて泣いてしまう。


こんなに泣いたのは、多分かなり久しぶり…



ねぇ、これは嫌われてはいないって…
受け止めていいんだよね…?


そう思いつつも不安は拭いきれなくて…


颯太の胸の中で泣き続けるあたし。


「そんな泣くなよ。」


そう言って、あたしの髪を撫でる颯太。



それにより、少し落ち着くことができた。



「ねぇ…?」


「ん?」


いつもより、
優しい声の颯太。



「ほんとにあたしのこと嫌いになってない…?」




「だから、嫌いになってないって。
何を今更。
我が儘なのはもう慣れたって。」


少し意地悪そうに言って笑う颯太。


「意地悪っ。」

「あーあ、俺こんなことして、あいつに怒られそ。」

あいつ?

って、

「誰…?」


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