本当の仲間
試合終了と同時に入り、あたしのチームは勝った。
それから伊藤と一緒に体育館の壁にもたれかかる。
「愛華ちゃん、凄く上手いねバスケ!」
「…そうか?」
「うん!あの朔斗くんからボール奪っちゃうなんて…凄いよ!」
「そ、か。サンキュ」

暫らくしてからチャイムが鳴り、みんな教室へと帰る。
そしてこれが6時間目だったので帰る人は帰り、部活へ行く人は部活の用意をする。
あたしは前者に当たる。
「愛華ちゃん、部活したらいいのに…」
「放課後は色々あるから。伊藤は部活入ってるのか?」
「うん!少林寺部のマネージャーだよ!」
「少林寺、か」
「うん!経験した事ある?」
「いや無い」
「それじゃあやってみたらどうかな」
「悪ぃ。部活は入らないって決めてんだ」
そっか…と残念そうにうつむく伊藤。
「それじゃあまた時間が合ったら一緒に帰らない…かな?」
「まぁ良いけど」
「良かった…。それじゃ、また明日ね!」
「…あぁ」

伊藤と別れ自分の帰路へと着こうと思った。
ふと、思い出す。いつも首からブラさげているあのロケットペンダントが無い。
「な…んで、だ」
急いで教室へと戻る。外す時は体育の時だけだった。

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