本当の仲間
──春風 愛華side


あれから、大きな事故はなく平和だった。
そして迎えた今日…当日だ。

校門は綺麗に【薄桜高校にようこそ♪】と記されている。
あたし達の出し物は半端なく客は止め処なく来る。
今日は前半が店番をし、明日は後半が店番をしてあたし達前半が店巡りをする。

「あれ~愛華ちゃんに雪乃ちゃんじゃない。儲かってる?」
話かけて来たのはアイツだ。ペンダントの件の後、伊藤に名前を教えてもらった。確か
──…
「…沖矢」
「あれ、僕君に名前教えたっけ?」
「伊藤に聞いた」
「へぇ…」
「あ、あの…いけませんでしたか?」
「別にいいよ、減るものじゃないし」
「じゃあ減るものだったら駄目ってか?」
後ろにいたのは朔斗だ

「あれ、いたんだ朔斗」
「うるさいな!総司が無駄にデカいだけだ!」
「あれ、僕のせいって?」
「え、いや違…ッ」
「へー、僕に喧嘩売ってるんだー。へー」
「朔斗、総司。無駄話もそれくらいにしろ。辻井先生の命で呼び込みをするんだろう?」
「龍くんって辻井先生一筋だよねー。僕辻井先生は嫌いだなー」
「な、なんて事言うんだ!俺はあんな良い先生は初めてだと言うのに…!」
「あのよー無駄話はよそでやってくんね?」
あたしは自分の出し物先で妨害をされてる気分だったので苛つき、低い声で言ってしまう。
「ねぇ、愛華ちゃん」
「何?まだ妨害するってか」
「明日、見回りでしょ?一緒に行こうよ」
「は?なんであたしが──…」
「強制だよ?」
「だからなんで──…」
「それだけだからぁ~。んじゃ頑張ってね!」
沖矢たちは行ってしまった。いや行ってほしかったんだけど、沖矢の言う事が…。【明日、見回りでしょ?一緒に行こうよ】これが頭の中でリピートされる。


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