本当の仲間

屋上に来て、見せ合う事に。あまり人気の無い処にした。人が多いと女が沖矢をガン見してあたしまでもが巻き込まれる為だ。ここは前にフェンスがあり、後ろは壁という狭い場所だ。

あたしは地にピンクと緑のボールを置いた。沖矢は赤と青だった。
「へぇ…。綺麗だね。」
沖矢は緑とピンクを両手に持って見比べる。
「緑の方、なんだから沖矢の眼の色に似てねぇかな?」
「ぁあ、それか!僕も何かに似てるなぁって思ってたんだよね」
眼を細め、笑いかけてくる。
「あぁ、あたしもそう思った」
「ねぇそれって、さ」
沖矢が真剣な声で言葉を発した。なんだろう、と思い沖矢の方へと顔を向ける。向けたら沖矢もこっちを見ていて、視線が交わった。
「僕の眼の色が綺麗…って事、だよね……?」

──ドクンッ…

と胸の高鳴りが1つした。

そういえばそうなる。綺麗なボールを取る事になり、沖矢の目の色をしたボールを取ったのだから。そう思うと少し顔が赤くなる。

「……そうなんじゃ無い?」
動揺を露わにしないようと平常心を保った。

「それじゃあ…僕──…」

「沖矢…?」

「…ッ、いやなんでもないよ」

「…そうなのか?」

「うん、なんでもない。気にしないで?」
そう言うと沖矢が前を見た。


「そろそろ行こっか」
「そうだな」
いた場所を離れ、校舎内へと戻った。

すぐに文化際終了の合図があり、一般人は学校から出て行き、生徒は各自の教室へと帰る
原田先生の話を聞いてから、すぐに帰る。その時に鈴木がこっちに来て、
「ねぇ愛華ちゃん、一緒に帰らないかな?」
「別にいいけど」
「良かった!それじゃ行こっか!」

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