本当の仲間
──伊藤 雪乃side
やっぱ…いざと言うと恥ずかしい。
やっぱり…、愛華ちゃんには言っておきたかった。
別に協力してほしいって訳じゃない。
取らないで、と忠告という訳でもない。
でも、何故かは分からない。伝えておきたかった。
「伊藤?」
「ほぇ!?」
愛華ちゃんの言葉で我に返る。
「どうしたんだ?」
今の状況を忘れていた。自分から呼び出しておいて…。
今から愛華ちゃんに告げる事は──…
「…私ね」
「あぁ」
「…好きな人がいるのッ」
私の好きな人…、幼馴染でもある朔斗君だ。
きっかけはほんの小さな事だ。あの時の事は一生忘れない。
「好きな…人、かぁ」
愛華ちゃんは小さな声で呟く。
「…朔斗か?」
少し心が痛んだ。愛華ちゃんと一緒にいると名前を呼ぶ時はいつも苗字だった。
どうして朔斗君は名前なのだろう…。そう考えてしまう自分が嫌だ。
「…違ったか?」
「…ううん、そうだよ」
遂に言ってしまった。私はなんだか恥ずかしくなり話題を逸らす。
「あ、愛華ちゃんは…いないの?好きな人」
自分でも度が過ぎるんじゃないかと思ってしまった。
急に好きな人がいるのか、等問われたら困るに決まってる。
「あ、言いたくなかったら別にいい──…」
私が弁解していたら愛華ちゃんはいつも首にぶら下げているロケットペンダントを外す。
写真を入れる処を掌に置き、開くとそこには愛華ちゃんと少し無愛想な顔をした男の人が写っていた。
紅髪で左前に流している。左目は全然見えていない。
愛華ちゃんはセーラー服であり、髪は黒髪だった。
周りにはチラホラ桜の花びらが舞い散っている。
「この人が…愛華ちゃんの好きな人?」
そう問うと、愛華ちゃんは少し頬を染め、
「あぁ…」
と返事を返した。
やっぱ…いざと言うと恥ずかしい。
やっぱり…、愛華ちゃんには言っておきたかった。
別に協力してほしいって訳じゃない。
取らないで、と忠告という訳でもない。
でも、何故かは分からない。伝えておきたかった。
「伊藤?」
「ほぇ!?」
愛華ちゃんの言葉で我に返る。
「どうしたんだ?」
今の状況を忘れていた。自分から呼び出しておいて…。
今から愛華ちゃんに告げる事は──…
「…私ね」
「あぁ」
「…好きな人がいるのッ」
私の好きな人…、幼馴染でもある朔斗君だ。
きっかけはほんの小さな事だ。あの時の事は一生忘れない。
「好きな…人、かぁ」
愛華ちゃんは小さな声で呟く。
「…朔斗か?」
少し心が痛んだ。愛華ちゃんと一緒にいると名前を呼ぶ時はいつも苗字だった。
どうして朔斗君は名前なのだろう…。そう考えてしまう自分が嫌だ。
「…違ったか?」
「…ううん、そうだよ」
遂に言ってしまった。私はなんだか恥ずかしくなり話題を逸らす。
「あ、愛華ちゃんは…いないの?好きな人」
自分でも度が過ぎるんじゃないかと思ってしまった。
急に好きな人がいるのか、等問われたら困るに決まってる。
「あ、言いたくなかったら別にいい──…」
私が弁解していたら愛華ちゃんはいつも首にぶら下げているロケットペンダントを外す。
写真を入れる処を掌に置き、開くとそこには愛華ちゃんと少し無愛想な顔をした男の人が写っていた。
紅髪で左前に流している。左目は全然見えていない。
愛華ちゃんはセーラー服であり、髪は黒髪だった。
周りにはチラホラ桜の花びらが舞い散っている。
「この人が…愛華ちゃんの好きな人?」
そう問うと、愛華ちゃんは少し頬を染め、
「あぁ…」
と返事を返した。