本当の仲間
やっぱりね。
2人はよく楽しそうに話す。周りからも「カップル?」と、問われた事も見てきた。

雪乃ちゃんがとんでもない事を質問した。
愛華ちゃんに好きな人がいるのか。
これは僕でも動揺が隠せなかった。もちろん、クールな龍くんでさえも。

愛華ちゃんはロケットペンダントを取り、雪乃ちゃんにその中を見せた。
僕が今…、一番気になっているものに入っているだろう。

雪乃ちゃんがペンダントの中の人が好きな人か、と問いかけると風がザーッっと吹き、返答は聞こえなかった。
愛華ちゃんを見ると、頬を紅らめて…。あんな愛華ちゃんは初めて見た。
とは言っても、出会ってからは7ヶ月目だが、きちんと挨拶をしてからは2ヶ月しか経っていない。

「…総司。そろそろ女子の会話に耳を傾けるのは辞めないか?」
「…、うん。そうだね」
僕達は小声で言い合い、この場を離れた。
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