Drei Drachen
「だって不良たくさんいて怖いし」
「不良校ってこの間言っただろ? ……仕方ない、迎えに行ってやるから。今どこ?」
「学園の向かいの公園」
「分かった。すぐ行く」
來礼はそう言うと電話を切った。
迎えに来てくれるなら、なんとか大丈夫かな。
私は校門の方に目を遣る。
と、さっきまでワイワイ騒いでいたカラフル頭たちが脇によけ、道をあけていた。
……何やってるんだろう?
そう思っていたら、そのあけられた道を五人の男たちが通って行った。
後ろ姿しか見えなかったから、どんな顔なのかは分からないけれど。
その中の一人の真っ黒な髪が、妙に目についた。