Drei Drachen



「あー、牙龍(ガリュウ)の奴ら来たのか」


「來礼っ!?」


彼らの後ろ姿を見ていたいた瞳を、声のした方に遣ると、黒いスーツに白いネクタイを締めた來礼が立っていた。


いつの間に来たんだろう。


電話切ってからそう時間は経っていないのに。


瞬間移動でも使ったんだろうか。


「そんな驚くことないだろう。地味に傷ついたぞ」


「ゴメンゴメン」


わざと傷ついたような顔をした彼に、私は棒読みで謝る。


「それより、さっき來礼、"牙龍"って聞き慣れない言葉言ってたけど、それ何のことなの?」


多分話の流れ的に、あの五人のことを指すんだろうけど。


私が尋ねると、彼は苦笑いを浮かべた。


言いづらいことなのかな。


でもなんか気になるし……。



< 14 / 26 >

この作品をシェア

pagetop