Drei Drachen
「あー、牙龍(ガリュウ)の奴ら来たのか」
「來礼っ!?」
彼らの後ろ姿を見ていたいた瞳を、声のした方に遣ると、黒いスーツに白いネクタイを締めた來礼が立っていた。
いつの間に来たんだろう。
電話切ってからそう時間は経っていないのに。
瞬間移動でも使ったんだろうか。
「そんな驚くことないだろう。地味に傷ついたぞ」
「ゴメンゴメン」
わざと傷ついたような顔をした彼に、私は棒読みで謝る。
「それより、さっき來礼、"牙龍"って聞き慣れない言葉言ってたけど、それ何のことなの?」
多分話の流れ的に、あの五人のことを指すんだろうけど。
私が尋ねると、彼は苦笑いを浮かべた。
言いづらいことなのかな。
でもなんか気になるし……。