Drei Drachen
第一章
桜に嘲笑われ
「ない……」
北高の正面玄関。
ボードに張り出された合格者の番号が書かれた紙を見て呟く。
……見間違いかもしれない。
そう思い、もう一度持っている受験票の番号とそれを見比べてみるけれど、やっぱり私の番号はなくて。
私はがっくりと肩を落とした。
私立の滑り止め落ちたし、公立も落ちてしまったから、いく高校がなくなってしまった訳で。
再募集とやらもあるらしいけれど、県内で一、二を争う馬鹿高校、北高に落ちた子が他の高校に受かるはずがない。