嘘婚―ウソコン―
「おっ、興味を持ったか」

そう言って笑った陽平に、
「違います!

ただ新しいところを探すのもめんどうなので、そこで働いてみようかなって」

千広は首を横に振った。

「まあ、やって見て気に入らなかったら辞めてもいい。

それに関してはヒロの勝手だから。

とりあえず働く、それでいいんだな?」

陽平は千広に確認をした。

「はい」

千広は、今度は首を縦に振ってうなずいた。

「よかったー、これで手間が省けたぜ」

ハハッと笑う陽平に、千広はふと思った。

「あの…」

「んっ?」

話しかけた千広に陽平が返事をした。
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