嘘婚―ウソコン―
「ふーん、接客中か。

しかも、弁護士の九条先生の」

陽平はおおげさに息を吐いた。

その様子では、どうやら予想していたらしい。

「ここよ、座って」

ユメが空いているソファーを指差したので、陽平が当たり前と言うように腰を下ろした。

千広も彼とは少し離れたところに、腰を下ろした。

「俺は水割り、ヒロはウーロン茶でいいから」

なれたように陽平が注文した。

「あら、彼女は未成年なの?」

そう聞いてきたユメに、
「いいや、もう20歳。

ただ俺が酔っ払った時、こいつも酔っ払ってたら意味がないだろ?」

陽平が答えた。
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