嘘婚―ウソコン―
くるみに案内されるように連れてかれたのは、控え室だった。

そこのソファーに座って少し待っていると、ぼたんに連れられたハートが入ってきた。

そして、今に至ると言う訳だ。

理由を見抜かれて感心している千広に、
「やっぱりね、そうだと思ったよ」

ハートはフッと笑った。

「陽平が何を抱えているのか知りたかったから1人できたんでしょ?

あたしが陽平に関して何か知っていると思ったから。

まあ、ある意味正解かな。

あたし、陽平とは結構長いつきあいだから」

ハートは言い過ぎたと言うように口を閉じると、千広を見つめた。

「話してもいいよ、あいつが抱えてる秘密を」

ハートは目を伏せると、
「その後どうするかは、ヒロの好きなようにしていいから」
と、話し始めた。
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