嘘婚―ウソコン―
「しかし…めんどくさいことになったなあ」

陽平は息を吐いた。

「ヒロとモミを会わせたら、それはそれで大変なことになりかねない。

あいつ、昔から怒らせると結構怖くてな。

元ヤンだったからって言うのも理由の1つだと思うけど」

「も…元ヤン…」

千広はひいていた。

確かに、会わせたら大変な目にあわされそうだ。

ヘタしたら殺されるかも知れない。

「だけど、何とかして証拠と根拠を出させてもらわないと…」

陽平は考え込んだ。

一生懸命考える彼のその姿に、
(養育費を出すって言ってるんだったら、父親になってあげたっていいのに…)

千広は心の中で毒づいた。

それを隠すように、千広は味のないアイスティーをストローですすった。
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