嘘婚―ウソコン―
千広は心の底から液体洗剤を発明したその人物に感謝した。

最後に、千広はもう1度周りを確認すると、窓を閉めた。

しっかりと戸締まりをすると、千広はスーパーへ買い物に行く準備をした。

ドアの鍵をしっかりと閉めて、周りを確認。

(よし、いない)

千広はアパートの階段を駆け下りた。


今日もセミが元気よく鳴いている。

今日も太陽がアスファルトを元気よく照らしている。

千広は汗だくになりながら、スーパーから家路に向かっていた。

千広の横をプールのバックを持った子供たちが元気よく通り過ぎた。

これからプールに行くらしい。

千広は立ち止まり、振り返って子供たちの背中を見た。

「元気がいいのはセミと子供だけか…」

こんなことを呟く自分は、我ながら年寄りくさい。

「あの」

「はい?」

声をかけられたから振り返った。
< 258 / 333 >

この作品をシェア

pagetop