嘘婚―ウソコン―
(そう言えば、次に出勤する日をまだ決めていなかったな)

そう思いながら履歴を確認すると、園子からの着信だった。

この時間帯はまだ仕事のはずだ。

何か用事でもあるのだろうか?

首を傾げながら、千広は園子に電話をかけた。

「もしもし?」

「千広!

あんた、いつ結婚したのよ!?」

いきなり園子に怒鳴られて、千広は携帯電話を落としそうになった。

「えっ?」

そもそも何で怒鳴られたのか、訳が全くと言っていいほどにわからない。

これと言った心当たりは特にない。

「だから、いつの間に結婚したんだって聞いてるの!」

「は、はあっ!?」

結婚!?

聞きなれないその単語に、千広はまた携帯電話を落としそうになった。
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