嘘婚―ウソコン―
*謎の男は最低最悪
午後の講義を終えると、千広は自転車で砂野の自宅に向かっていた。
向かっている間、ジメジメとしているこの季節ならではの独特の暑さが気持ち悪かった。
梅雨はいつになったら明けるのだろうか?
(晴れの日が続いているんだったら、梅雨明け宣言してもいいのに…)
心の中でぼやきながら、千広は砂野の自宅であるマンションの駐輪場に自転車を止めた。
それから、エレベーターで7階にある砂野の自宅へと足を向かわせた。
“砂野”と表札が書かれたドアの前につくと、チャイムを鳴らした。
「はい」
ドアの向こうから声が聞こえた。
「お久しぶりです、小堺です」
千広はドアに向かって言った後で、ガチャッとドアが開いた。
きっちりと髪を整え、ポロシャツにチノパン姿の砂野が迎えてくれた。
人――しかも姪っ子の友達と会うから、ちゃんとした格好をしたのだろう。
(休日のおっさんをそのまんま表したような格好なんて、誰だって嫌がるよね…)
千広はそんなことを思った。
向かっている間、ジメジメとしているこの季節ならではの独特の暑さが気持ち悪かった。
梅雨はいつになったら明けるのだろうか?
(晴れの日が続いているんだったら、梅雨明け宣言してもいいのに…)
心の中でぼやきながら、千広は砂野の自宅であるマンションの駐輪場に自転車を止めた。
それから、エレベーターで7階にある砂野の自宅へと足を向かわせた。
“砂野”と表札が書かれたドアの前につくと、チャイムを鳴らした。
「はい」
ドアの向こうから声が聞こえた。
「お久しぶりです、小堺です」
千広はドアに向かって言った後で、ガチャッとドアが開いた。
きっちりと髪を整え、ポロシャツにチノパン姿の砂野が迎えてくれた。
人――しかも姪っ子の友達と会うから、ちゃんとした格好をしたのだろう。
(休日のおっさんをそのまんま表したような格好なんて、誰だって嫌がるよね…)
千広はそんなことを思った。