FeeLiNg.





歩くペースがゆっくりな私の隣で
なにも言わず私に合わせて歩いてくれる。もういいよ。私にかまわないでいいよ。
言いたいのに、何かが怖くて。
弱虫な自分がまたいやになる。

ねえ、拓人?

あなたはなんで私の隣にいるの?

憎んでいいよ。私のこと。
あなたも悲しかったでしょう?
私のこと、本当は心のどこかで
何回も責めたんでしょう?




今日も夕日は嘲笑う。
私を残して消えてゆく。
そして、深い闇をつれて―。





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