FeeLiNg.











「もうやめろよっ!」


拓人は、私を見て泣きそうな顔をした。


いつも、私があの日の話をすると、
私を抱きしめて、泣きそうな顔をする。



拓人もきっとあゆみを思い出して
悲しくなるんだ。



「私を責めてよ。拓人だってほんとは
私のこと憎んでるんでしょ?
私のこと好きだなんて、うそだよね?―
―――――――――…んっ。」

2度目のキスは、少し戸惑ったような
震えてるようなキスだった。


さっきの強引なキスとは違った。















ねぇ、私たちはいつも
あの日から立ち止まったままで

なにかに怯えながら生きてきた。




ただ、オリオン座が見つめる夜空が
私たちは好きで。



それはあの日に逃げれるから。



悲しい過去を一瞬だけ消し去り、
逃げ道とゆうほんの少しの幸せを
かみしめながら。




でもそれも今日ですべて終わり。










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