FeeLiNg.
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「わあー。」
あゆみが嬉しそうに見上げる空には
小さな雪たちがひらひら踊っていた。
「灰色の空もなんだか綺麗に見えるねっ」
あゆみが微笑む。
よかった…。
「あゆみ、外泊許可でてないのに…。
本当にいいの?」
私が聞くと、あゆみが満足そうな顔をして
「いいの。私が外にでたかったから。
ねえ、どこに連れてってくれるの?」
楽しそうなあゆみに、私も満足した。
でも、嫌な予感が止まらない。
今にもあゆみが雪と溶けてしまいそうなくらいに儚く霞んで見えた。
「ねえ、病院に帰ろう?
万が一のことがあったら怖いよ…。」
私がそうゆうとあゆみは
私を見つめていった。
「私はいずれ死ぬの。だからしたいことをするわ。誰になんと言われようと。いつ死んでも、後悔したくないから。」