FeeLiNg.








***********




お葬式でも、母は泣き崩れていた。



あゆみの友達、親戚、先生、近所の人。

そして、拓人。



たくさんの人が、泣いていた。



私は、悲しいのに、寂しいのに
なんだか心が麻痺したみたいに
呆然としていた。


涙なんて、出なかった。




だって、私が今いる場所で
あゆみのお葬式が行われてるんだよ。



意味わかんない。



あゆみのお葬式って…。



信じられないよ。



あゆみがもういないなんて。


もう会えないなんて
喋れないなんて
触れられないなんて…。




だって、
今もすぐ隣にいるような気がするの。


家に帰ったら、
「おかえり」
って、いってくれるような気がするの。


「全部嘘だよ」
って笑ってくれる気がするの。





< 49 / 89 >

この作品をシェア

pagetop