FeeLiNg.
「…。」
包丁を置いて、玄関に近づいた。
「まり。」
拓人だ。
「なにしにきたの?」
私は扉に近づいた。
「心配になって。」
拓人らしい。
でも、それが少し残酷で…。
「入れて。」
拓人が言った。
「なんで?」
少し嫌だった。
人に関わるのが。
「理由ってないとだめ?」
「だめ。」
でも、拓人に会いたいって
思ってしまった自分がいた。
「…まりの顔が見たい。」
わかってる。
私のことを心配してくれてるだけで
深い意味なんてないって。
でも、こんな私に…って
思ったら嬉しくて。