FeeLiNg.
私は、ドアの鍵を開けて、ドアを開けた。
目のまえには、耳と鼻を真っ赤にした
拓人が立っていた。
「…たくと…。」
拓人を見ると、涙が溢れ出した。
拓人は私を優しく抱きしめると、
そっと頭を撫でてくれた。
「まりには俺がいる。お前が自分を責める必要ないんだよ。」
怖かった。
ママにも見放され、
拓人も私を見放すんじゃないかって。
私はとうとう
1人になるんじゃないかって。
でも、来てくれた。
「私が…あゆみを…っ」。
拓人が泣きそうな顔で私を見つめる。
「違うだろ。お前は、あゆみのために
したことなんだろ?」
「違うの…っ。私があゆみを
止めるべきだったの…。」
「違うって言ってんだろばかっ…!」
違わないよ。
だから、私は母に見放されたんだよ。
「私が、死ねばよかったのに…。
さっきね、私死のうとしたの。
でも、身体が震えて…。」
私がそう言うと、拓人が静かに
身体を離した。
「逃げんのかよ。」
思いもよらない言葉に
心臓を鷲掴みされた気分だった。