FeeLiNg.
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「また寝てたのかよ、まり。」
無造作にセットされた髪を
ふさふさ揺らしながら幼なじみの
「拓人」がやってきた。
「こんな席で睡魔に勝てるわけない。」
「そろそろ成績やばいんじゃねーの?」
「関係ない。どうでもいい。」
「…。」
拓人は困ったように笑って
私の頭をくしゃっとして教室から
出て行った。
ふう。
甘いため息。
こんなにも私を惑わす彼に
私はどうにかなってしまいそう。
ドキドキと高鳴る胸。
こんな気持ち私にはいらないのに。