君に出逢えた奇跡
そう感心しているうちに、手当は終わり、そいつは呆れた顔で吐いた。






「女なんだからちょっとは自分の体に気を使えよ・・」






「こんなのいつものことだから慣れてんのっ・・」






そんなことより・・・・







「お礼言いたいから・・なっ名前教えて・・」






「護・・」






「え・・?」






「星野護。お前と同じクラスの男子」






同じ・・クラス・・・?






・・・・・・・







あ・・なんかそんな人いたような気する・・・







「ああ。同じクラスだったんだ」







「はあ?今知ったのかよ」







「うん。あたしあんま学校行ってなかったし」







「んで・・・」







「?」







「お前のことなんて呼べばいいわけ」







「あ・・・あたしは・・・普通に奈々とか・・でいいから・・」







「分かった」







……………







「なんで・・あたしなんかを助けたの?」






あたしは訪ねた。






「なんでか?・・・屋上から「死にたくない」って叫び声聞こえたから・・」






叫び声・・?






「そんなことあるわけないし・・・」






「叫んでなかったら俺だってわざわざこんなとこ来ねーだろ」






護は真剣な瞳であたしに言う。






ザーザー






あ…






「雨だ・・・」







ゴロゴロゴロ!






「今カミナリ光った・・」






「え・・・・・・・・?」






ゴロゴロゴロゴロ!!






キッ…キッ…






「キャアアアアアアアア!」






あたしは怖さのあまり、護に抱きついてしまった。






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