【短編】君に恋をした。
「紗耶香ちゃん、俺のこと覚えててくれたんだね。」
「は、はい。
神崎さん、忙しそうにしてましたよね、すいません。呼び止めてしまって…。」
「いや、いいんだ。
ちょっと休んでから会社に戻ろうと思うからさ。
お茶でもどう?」
「え。……でもいいんですか?
あたしなんかと行って。
彼女さん……怒りません?」
「……………。」
え?、彼女……?
「あ、すいません。
余計なこと言っちゃいましたか?」
「俺、彼女とか、特にいねぇ-けど?」
「そうなんですか。
てっきり、柏木さんとお付き合いされてると思っていました。」
……柏木か。
あいつやたらベタベタしてくるからな。
誤解されるのは、ごめんだな。