【短編】君に恋をした。
もう、考える事も可愛すぎる。
今日一日手ぇ出さずにおれるかな、俺。
「じゃあ、まだ早いけど、行こっか。」
「はい。」
アクセルを踏んで、俺たちは、夏祭り会場である、中央公園へと向かった。
──────────
───────
「わぁ~!人すご-い!!」
車を止めて中央公園へ入ると、人、人、人……。
やばいな、はぐれそう。
そう思っていたら、紗耶香ちゃんが、俺のTシャツの裾を握ってきた。
「……、手ぇ繋ぐ?」
言って良いものか……悩んだけど、離れないためには、しょうがないじゃん。
俺の問いかけに目をぱちくりさせてから、コクンと頷く紗耶香ちゃん。
可愛い。
俺たちは、ぎゅ、っと手を握って、人ごみの中を歩いて行った。